共有のデメリット

  • 共有者全員の承諾がないと不動産の「売却・開発・解体」ができない。
  • 共有のまま代々相続が続いていくと、共有持分が細分化・複雑化していき、共有の解消が困難になる。
相続において、代償交付金が用意できない場合などでは、当面の解決策として不動産の共有が一つの選択肢となります。
しかし、不動産の共有は、管理や賃貸収入、固定資産税の負担、売却に係る意見の不一致などトラブルが生じることがあり、注意が必要です。

土地の共有は、一筆(一評価単位)の土地を複数人で所有することを意味し、形式的には公平な遺産分割といえますが、実質的に複数の不動産オーナーが存することになるので、将来的に建物を建て替えたい、売却して現金化したい、といった個人の意見の主張により問題が顕在化することがあります。

共有者同士の仲が良好な場合は特に問題ありませんが、共有者が死亡し持分が相続されると、共有者が増加することもあり、共有者間の関係がより薄くなっていくことがあります。
(顔を見たことがない親戚と不動産を共有することもありえます)

最悪の場合、お互いの主張がぶつかり合い、話し合いが硬直化し、売却や建て替えができないような事態にもなりかねません。
安易に共有を選択するのではなく、現金化・(代償)分割・組み換えなどの方法も検討してみてはいかがでしょうか。

共有でも問題ないと思われるケース

  • 一時相続で配偶者(父または母)とその子で共有し、二次相続で単独所有とする場合
  • 現物分割ができる場合(所得税基本通達33-1の6)
  • 相続税評価において「地積規模の大きな宅地」の適用を受けるため、あえて共有にする場合(後々を見越して、分割後の単独評価した価値割合に合わせて、持分割合を算定することが望ましい)

なお、共有地の分割、共有持分の交換の場面において、差金が2割を超えると固定資産の交換の特例(所得税法第58条)は適用されず、両者ともに譲渡扱いになるため、取得費が不明で概算取得費5%適用の場合など、多額の所得税が課せられる恐れがあることに注意してください。