収益還元法では、「還元利回り」・「割引率」を用いて収益価格を求めます。

還元利回りと割引率、ともに収益性を表しますが、両者の違いはどこにあるのでしょうか。

シンプルに分けると、還元利回りは元本と果実の関係を表す率で、割引率は将来価値を現在価値へ割り戻す率となります。

還元利回り

還元利回りは直接還元法の収益価格、また、DCF法の復帰価格を求める際に用いられ、その不動産が生み出す一期間の純収益とその不動産の価格との関係を表します

例えば、年間当たり1,000万円の純収益を生み出す賃貸マンションがあり、5.0%の還元利回りで計算すると、

1,000万円 ÷ 5.0% = 2億円 

このように、簡単に収益価格を求めることができます。

では、同じ不動産で還元利回りを8.0%で計算してみましょう。

1,000万円 ÷ 8.0% ≒ 1.25億円 

このように還元利回り3.0%の違いで約4割の価格差が生じてしまいます。

還元利回りの大小は収益価格に与えるインパクトが大きいので、理論的な根拠に基づく査定が必要です。

還元利回りのイメージ図(元本と果実の関係)
還元利回りのイメージ図

割引率

割引率はDCF法において将来の収益を現在価値に換算するために用いられる率です。

n年後の将来価値は、割引率を用いて現在価値を求めることができます。

P = Pn ÷ (1+i)  (P:現在価値  Pn:n年後の将来価値  i:割引率)
純収益(万円)現在価値(円)
初年度1,000÷(1+0.05)19,523,810
2年度1,000÷(1+0.05)29,070,295
3年度1,000÷(1+0.05)38,638,376
4年度1,000÷(1+0.05)48,227,025
5年度1,000÷(1+0.05)57,835,262
n年後の純収益1,000万円の現在価値(割引率5.0%の場合)

このように割引率は、将来価値と現在価値の関係を示し、投資家の期待収益率を反映しています。

割引率のイメージ画像(将来価値を現在価値に割り引き)
割引率のイメージ図