不動産投資において、土地・建物を一括して収益物件を購入した場合、土地・建物それぞれの取得価額は、固定資産税評価額を基礎に按分することが多いです。

固定資産税に係る土地評価は大量一括評価を前提とした路線価方式が主で、土地の個別性が必ずしも反映されているとは限らず、実勢価格と大きな差異が認められることも少なくありません。

つまり、固定資産税評価額を基礎とした土地・建物比率は必ずしも実態を反映しているとは限らず、不動産鑑定評価を行うことで、不動産所有者にとって有利な土地・建物比率を合理的に算定することが可能なケースがあります。

以下では、1億円の収益物件で、土地・建物比率が【5:5】と【4:6】ケースでどの程度、税金が変わるか簡易的なシミュレーションを行ってみました。

前提条件

土地建物価格、家賃収入、グロス利回りのイメージ図
建物の構造鉄骨造
築年数30年
経費率家賃収入の30%
法人税率30%

土地・建物比率【5:5】【4:6】の場合を比較

土地:建物=5:5土地:建物=4:6
①家賃収入10,000,000円10,000,000円
②経費(家賃収入の30%)3,000,000円3,000,000円
③減価償却費注15,000,000円6,000,000円
④利益(①-②-③)2,000,000円1,000,000円
⑤法人税(④×30%)600,000円300,000円
法人税の10年間の累計額(⑤×10)6,000,000円3,000,000円

注1:「躯体」と「設備」は分けず、一体で計算。

   建物の耐用年数=(法定耐用年数-築年数+築年数×0.2 =(34-30)+30×0.2 =10年

このように鑑定評価書で大きく節税できることがあります

上のケースでは土地・建物比率が【5:5】と【4:6】では10年で300万円の差異が生じました。

鑑定評価の報酬が50万円程度と考えると、鑑定評価を依頼した方が大きく手残りが増えることになります。

不動産投資を検討されている方で、契約にあたり土地・建物比率が決定していないケースでは、不動産の鑑定評価によって収益性が大きくアップする可能性がありますので、不動産鑑定士に相談してみてください。